死後離婚という言葉が少しずつ認知されてきてます。
ただ「死後離婚」の意味をそのまま捉えてしまい、
「死後に離婚する制度なんてあるんだ」
という間違った声も聞かれるようになりました。
死後離婚.comでは、
などを解説しています。
死後離婚とは?
死後離婚とは配偶者の死後に、配偶者の親族と縁を切ることです。
死後離婚の具体的な手続きには以下があります。
- 姻族関係を切る「姻族関係終了届」
- 名字を旧姓に戻す「復氏届 」※
※姓を変えない場合は復氏届の提出は不要です。
死後離婚は実際の法律制度としては存在しません。
なぜなら夫婦の一方が亡くなった場合、婚姻関係は自動的に終了するからです。
つまり夫婦のどちらかが亡くなった場合、わざわざ離婚という手続きをしなくても婚姻関係は終わります。
「ではどうして死後離婚なんて言葉があるの?」
それは戸籍上の問題があるからです。
夫を亡くした妻は、戸籍上「独身」とはならないんです。
配偶者の死後に離婚はできない
配偶者の亡き後に離婚はできません。
なぜなら日本の戸籍法に基づき夫婦の一方が亡くなった場合、婚姻関係は自動的に解消されからです。
しかしこれは法的な関係が終了するという意味であり、戸籍上での変更は自動的には行われません。
すごく簡単に言うと、夫亡き後も夫の戸籍に残り続けるという事です。
再婚に関する制約と変遷
遺された配偶者は再婚の自由があります。
ですが夫が死亡した場合、妻には100日間の再婚禁止期間が設けられています。
(2016年6月の法改正により、以前の6カ月から100日に短縮。)
また夫に先立たれた妻の中には、再婚しないケースも多々あります。
再婚しない場合戸籍上、独身にならない
- 再婚禁止期間中で再婚できない場合
- 再婚しない場合
どちらの場合も再婚してない状態ですが、戸籍上独身になるのでしょうか?
再婚しない場合、妻は戸籍上「独身」にはならないのです。
死亡した夫を筆頭とした戸籍に残り続けるのです。
戸籍上の変更の実例
例えばAさんの夫が亡くなった場合。
Aさんは法的には再婚が可能ですが、100日間の待機期間が必要です。
この期間が経過すれば再婚の手続きを進めることができます。
しかしAさんが再婚しない場合、戸籍上では「独身」とはならず夫の戸籍にそのまま記載され続けます。
夫が死んでも夫の家族との関係(姻族関係)は続く
配偶者が死亡した場合、婚姻関係は自動的に終了しますが姻族関係は継続します。
姻族関係は生存配偶者が終了の意思を明示しない限り、永続することとなります。
姻族関係を終了したいと意思表示した場合、関係が終了する
民法728条によれば姻族関係は離婚によって終了します。
また夫婦の一方が死亡した場合、生存配偶者が姻族関係を終了させる意思を表示したときも離婚と同様に姻族関係が終了するとされています。
しかしこの意思表示がない場合、姻族関係は続くとされています。
①姻族関係は、離婚によって終了する。
②夫婦の一方が死亡した場合において、生存配偶者が姻族関係を終了させる意思を表示したときも、前項と同様とする。
具体的なケース
夫が亡くなった場合、妻と夫の母(姑)の間の姻族関係は続きます。
もし妻がこの関係を終了させたいと考えるならば、法的な手続きを通じてその意思を明示する必要があります。
この法的な手続きのことを「姻族関係終了届」と言います。
姻族関係終了届で意思表示をしない限り、妻と姑(しゅうと)の間の姻族関係は法的に継続されます。
死後離婚の子供への影響についてはこちらの記事で解説してます。