死後離婚した後の親族関係はどうなる?【義両親の介護問題・扶養義務】

親戚一同集合したイラスト

配偶者が亡くなった後、その関係や義務はどのように変わるのでしょうか。

特に「死後離婚」という手続きを通じて、義理の家族との関係を終了させることは可能ですが、それに伴う権利や義務の変化については、多くの人々が誤解を持っています。

この記事では、死後離婚を行った場合の親族関係の変化、特に義両親の介護や義兄弟との関係について詳しく解説します。

死後離婚を考えている方、またはその影響を正確に理解したい方のためのガイドとして、ぜひ参考にしてください。

この記事を書いた人
行政書士 早田拓真

早田行政書士事務所代表。
死後離婚の専門家として配偶者亡き後の様々な相談を受けている。

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死後離婚後の親族関係の変化

死後離婚後の親族関係の変化

死後離婚すると親族関係が変わる

義両親の介護問題と扶養義務は死後離婚で解放

配偶者が亡くなった場合、離婚届を出すことはできません。

ですが婚姻関係は解消されたものとみなされます。

この状態を「死後離婚」と呼び、配偶者が亡くなった後に義理の親(姑や舅)との親族関係を終了させるための手続きです。

義理の親のことを姻族と言います。

夫婦ともに生きている時に離婚をすれば姻族関係は終了します。

けれども夫婦が死別した場合、その後も義理の親との親族(姻族)関係は続きます。

現在、義理の親の「介護義務」や「扶養義務」を明確に定める法律は存在しないものの、民法には親族間の相互扶養義務や扶け合いの義務が記されています。

これらは倫理規定とされ強制力はないですが、実際に義理の親の介護や扶養の負担を感じる人は多いです。

特に夫が亡くなった場合、妻が義両親(夫の両親)の介護をするケースが多く見られます。

しかし、死後離婚を行うことで、義父・義母の介護負担から解放されることが期待されます。

具体的には、「姻族関係終了届」という正式名称の書類を役所に提出することで、配偶者の両親(義両親)や兄弟(義兄弟・義姉妹)との縁を切る手続きが完了します。

死後離婚後の義両親・義兄弟との関係

死後離婚は法律上、自分と姻族の関係のみを断ち切るものです。

そのため祖父母と孫の血縁関係はそのまま継続しますし、義兄弟である叔父(おじ)と甥(おい)の関係も継続します。

この点を理解しておかないと、未来において子供が義理の家族との関係で困難な状況に直面する可能性があります。

具体的には自分が義理の両親の扶養義務から解放されても、子供はその義務を継続します。

これは子供が義理の家族との間で肩身の狭い思いをするリスクがあるため、死後離婚を考える際の重要なポイントとなります。

このように死後離婚は多くの利点がある一方で、子供や義理の家族との関係においては慎重な判断が求められます。

死後離婚後の親族関係の変化に伴う権利と義務

死後離婚後の親族関係の変化に伴う権利と義務

死後離婚しても権利関係は変わらない

死後離婚したら親権・監護権はどうなるの?

死後離婚の手続きは配偶者の血族との関係に関するもので、親権や監護権に直接的な影響はありません。

したがって死後離婚を行った場合でも、子供の親権や監護権の取り決めはそれまでの法的な手続きや合意に基づいて決定されます。

このように死後離婚は配偶者の血族との関係を終了させる手続きであり、相続権や親権・監護権には影響を及ぼしません。

死後離婚後の相続権についてはこちら

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